先日『パラサイト 半地下の家族』を見ました。
アメリカのラジオ番組で「2019年ベストムービー」の1位に選ばれていて、前から気になっていました。
これはまさに韓国版の『万引き家族』。
半地下に住む貧困家族と、地上に住む富裕層家族の格差を描いた作品です。
コメディでもあり、ホラーでもあり、社会派の映画でもあり、鑑賞後は印象に残りすぎて夜の夢に出てきてしまったほど。
ここから先はネタバレ
さて。
引っかかったシーンは冒頭の1場面。
主人公「ギウ」に友人「ギニョク」が仕事を頼むところ。
仕事を引き受けたがゆえ、家族を巻き込む大事件に発展していくので、重要であることは間違いありません。
ここで1つ浮かんできた疑問は、
なぜギニョクはギウを選んだのか?
です。
もっとマシな友人はいなかったのでしょうか??
作中でギニョク曰く、
「同じ大学のやつらは信用できねえ。でもお前なら信用できる」
という理由で紹介した体になっていました。
最初見た時は納得し、
- ギウがいいやつだから
- 友情があるから信じられる
- 草食系だから教え子を取らない
そんな理由で任せたと思っていましたが、鑑賞後には「違う印象」が残りました。
大学生ギニョウは留学するぐらいですから、スーパー大学生。
成績も優秀で、将来も有望視されているのでしょう。
そんなギニョウは、ギウに無意識の偏見を持っていたと考えます。
ギウを選んだ理由は、
富裕層の娘「ダヘ」と半地下の「ギウ」はカップルにならない
と確信していたからではないでしょうか。
だからあえて、同じ富裕層に属する同級生ではなく、大学に入れない浪人生のギウを選んだのでしょう。
ギウ自身もそれに気づくシーンが作中で描かれています。
それは、ダソンの誕生会を2階から眺めるシーンです。
ダヘに
「俺ってここに馴染めるかな」
と聞いていました。
おそらく彼はこの時点で、家族間の経済格差、階級の違いを感じ、
ダヘを手に入れる気力は残っていませんでした。
ぼくもこのシーンを経て冒頭のトリックというか、
表面上は見えない経済格差による差別・偏見
が「仕事の紹介シーン」で描かれていたのだ、と悟りました。
それでは!
Ken

映画館が好きでたまにいきます。