新型コロナウイルスの影響で世界が変化してきました。
変化を挙げればキリがありませんが、映画業界ならば映画館が閉鎖され、人々は自宅にてオンラインで映画を楽しむようになってきましたね。
映画館が大好きなぼくとしては大打撃ですが、この新しい流れを受け入れて生きていこうと思っています。
一体この世界はどう変わっていくのでしょうか?
ぼく自身くそ不安ですが、おそらく世間に生きる一般の人々の多くも変化を強いられ、不安になって、未来に絶望していることでしょう。
そんな昨今の未曾有の危機的状況だからこそオススメなのが
ウイルス感染症に関する映画を見まくる
です。
ウイルス感染を描いた映画を見ることで、ウイルス感染がもたらす最悪のシナリオを、今、この段階で見られるのです。
その結果、未来に備えられることになりますね。
ぼく自身、この状況に絶望しながらも腐るほどウイルス感染症の映画を観てきて、ウイルス感染がもたらす様々な未来を映画を通して体験できたのは良い機会でした。
映画の世界は現実よりも酷いことになっているので、ぼくらが生きる、現在の世界は、映画よりもマシな状況であると、少しほっとすることもあります。
新型コロナ流行時だからこそみたい!ウイルス感染を描いた映画5選
今日はそんなぼくが見てきたウイルス感染症の映画を紹介しますね。
コンテイジョン(2011)
今一番話題になっているのはこのウイルス感染映画です。
ぼく自身、何作品かウイルス感染症の映画を見てきましたが、このコンテイジョンが今の世界に即した内容でした。
コンテイジョン(contagion)とは「感染」を意味する英単語。
この映画では、あるアメリカ人の女性が香港の出張中に、謎のウイルスに感染。
それを知らずとアメリカ本土に持ち帰って、アメリカを中心としてウイルス感染が世界全体に広がり混乱するストーリーが描かれています。
中でも注目したのは「フェイクニュース」の存在です。
数万人のフォロワーを誇るブロガーが、ウイルス感染症に効果がある漢方薬を紹介。
それを信じた一般の人々が、薬局に殺到して暴動が起きるシーンが描かれていました。
ブロガーはなぜフェイクニュースを流したのでしょうか?
それによって、会社の株価を操作し、投資で儲けようとしていたからです。
このようにフェイクニュースの裏には、誰かの思惑があり、それに影響されてしまうと自分だけでなく世界も不利益を被ってしまうと感じました。
また興味深かったのが、ウイルス感染症の流行した状況における恋愛の変化です。
主人公マット・デイモンは、娘にボーイフレンドに会うことを固く禁じます。
何回かボーイフレンドが娘に会いにきましたが、かたくなに門前払い。
やっとワクチンが開発され、ようやく安心して外出できるようになって初めて、娘がデートできるようになったのです。
そこで娘が言った一言が印象的でした。
たしか
「私の時間を返してよ」
です。今の状況で高校のインターハイが中止になったり、今まで当たり前とされてきた高校生活が楽しめなくなっています。
おそらく、青春を謳歌する黄金時代の世代は、
「俺(私)の時間を返してよ!青春は今しかないんだぜ?」
と思っている人は多いかと思います。
ウイルスは人々の命だけでなく、時間をも奪っているのです。
そのような感染流行下に暮らす人々の細かい内面まで描き出している映画でおすすめですよ。
アウトブレイク(1995)
エボラ出血熱のウイルスを持つ小猿がアメリカで密輸。
その猿を盗んだ若者は転売しようとしますが、猿に噛まれてエボラ出血熱に感染。
その事件をきっかけにアメリカでエボラ出血熱の感染が広がってしまう映画です。
この映画で参考になったのが「軍の動き」です。
感染症の拡大を防ぐため、感染地域を爆撃で一掃するシーンが描かれています。
初めてみたときは
「そんなばかな!」
と思いましたが、もしかしたら過去にこのような一掃が行われているとは否定できません。
感染症には軍も1枚噛んでいるのです。
映画の主人公は軍の中の医者であるダスティン・ホフマンです。
これは彼はなかなかアウトローの医者で、人々を救いたい情熱が溢れ出て、上からの命令を無視。
なりふり構わず、彼の部下とともに人々を救うために単独で動き出します。
どちらかというと、医療従事者がどのようにウイルスと戦っているのか、という医療側をメインに描いています。
ただ、後半はちょっとエンターテイメント性が出てきて、何かアクション映画のように仕上がってしまっているのはちょっと笑ってしまいました。
アメリカっぽいと言えばアメリカっぽい映画ですね。
この映画で勉強になったのは「ウイルスは変異する可能性がある」ということ。
エボラ出血熱のウイルスと思われていたものが、ウイルス研究所の違うウイルスと結びついて変異を起こし、より凶暴化して人々の命を奪う様子が描かれています。
今回の新型コロナウイルスもこのように変異し、全く別の性質を持つ新たな脅威になる可能性もあることを教えてくれます。
感染列島(2009)
日本が舞台となった感染症の映画です。
日本で発生した鳥インフルエンザウイルスと思わしき感染症が日本中で広がり、それを防ごうとする医療従事者目線で描かれています。
切り口がとても日本らしかったです。
まず鳥インフルエンザを発生させたと思わしき鳥業者へのバッシング。
さらに医療現場が細かく描写されていて、ある患者を救うために別の患者の命を捨てる選択を迫られる「命の選別」。
さらに、医療キャパシティーが崩壊し、医療従事者のメンタルが崩壊して投げやりになって仕事を辞めていく様子も描かれています。
また、参考になったのが完全に廃墟とかした東京の様子。
確か新宿がメインで描かれていたと思いますが、ぼくが知っている新宿ではなく、誰も人がいない、そしてゴミで溢れかえった新宿の街が映画でリアルに描かれています。
その場所を知っているだけあって、海外の映画よりも現実味がありました。
ワールド・ウォーZ(2013)
この映画はウイルス感染の最悪のシナリオを見せてくれます。
もはやこの映画で流行しているウイルスに感染すると、人格を失いゾンビ化。
凶暴化したゾンビとなり、他の人を襲うようになってしまう世界が描かれています。
ウイルスの影響力こそ現実離れしていますが、ヒーローがやることは同じ。
やはり身体を張ってワクチンを作り出し、それを世界に広めて鎮静化を図る方法です。
世界各国の国々が、ウイルスに対して色々な施策を試して、そしてウイルスに駆逐されている様子を見ていると、感染症は「ウイルスと人間の戦い」であることが伝わってきます。
FLU 運命の36時間(2013)
この映画は韓国の感染症の映画ですね。
東南アジアから労働者を輸入する際に、韓国国内に致死性の高いウイルスが持ち込まれたストーリーです。
この映画の主な視点は、感染地域に指定された「封鎖された人々」。
「盆唐」というところでウイルスが広がりはじめ、感染を食い止めるためにその地域を封鎖。
首都ソウルにそれらの人々が入ってこないように完全に封鎖したのです。
そして、感染拡大を防ぐために、まだ生きているのにも関わらず、感染が確認されただけで燃やされて殺されてしまう悲劇も描かれています。
面白かったのがアメリカ軍の関わりかたです。
日本と同じように、韓国はアメリカ軍の意思を反映せざるをえなくなり、その結果、自国民の命よりも世界の安全を取るべきかという決断を大統領が迫られます。
アメリカが安全保障に関わっている国だからこそ見られるトップの決断の苦悩が伝わってきます。
新型コロナ流行時についでにみたい世紀末映画2作品
以上、ぼくが見てきたウイルス感染症に関する映画でした。
ただ、それに加えてぼくがオススメするのは「世紀末の映画」も見ることです。
AKIRA(1988)
東京オリンピック2020年開催を予言したことで知られる映画。
映画のワンシーンで、オリンピック147日前という看板の至る所に中止求める落書きが書いてあり、SNSを中心として「オリンピック中止を予言した映画」として話題になりました。
ぼくもみましたが、オリンピックの予言を抜きにして面白い、すばらしい。特に音楽が独特過ぎて引き込まれ方が尋常じゃなかったです。
AKIRAでは予言できる少女がいて、彼女の1つの予言に、
アキラくんが…恐い夢を見たの。人がいっぱい死んで、街が壊れて…。
がありました。
まさにこれが新型コロナウイルスの出現を予期していたのか?
もしくはまだこれからもっと凄い事件が起きるのか。
その予言の元となるアキラは、2020年のオリンピックが行われる国立競技場の地下に眠っていることを知らされ、そのアキラが最終的には目を覚まします。
今後、日本を含めた世界は東京オリンピックを機にどうなってしまうのか?
アキラの登場を願い、ネオ東京を更地にしてリセットしたい一般市民の様子は、どこか元号を令和に変え、失われた30年の不況をリセットしたいと願う今の日本人と重なりました。
いやあ、全体的に難しかったのですが、これは今に見るとまた違う印象を持たれることは間違い無いでしょう。
サバイバルファミリー
この映画は新型コロナウイルスの発生前に見ました。
今思い返してみると、最近はこの映画の内容を思い出します。
ウイルスの感染ではなく、この映画では「電化製品が一切使えなくなった」という緊急事態が発生します。
太陽の黒点の変化が主な原因と言われていますが、この変化によって、スマートフォンやパソコン、自動車、電車などありとあらゆる電気をエネルギー源としたものが突如使えなくなります。
もちろん、世界はパニック。
ただ、テレビもラジオもパソコンも使えないので、日本以外の国のパニックの様子はわからないんですけどね。
この未曾有の事態が世界を襲い、人々がパニックになる事態は、どこか今の世界の動きと似ています。
最終的に緊急事態に追い込まれた家族は家を捨て、自給自足できる実家の鹿児島で農作業をして生き延びる道を見いだします。
この映画を見ると、最悪いきてさえすれば、自給自足の生活に適応してサバイバルできるんじゃないかと思うようになりました。
いつ何が起こるかわからない今だからこそ、サバイバルファミリーもウイルス感染映画と合わせて見ておきたいですね。
以上、こんな時だからこそウイルス感染症の映画、世紀末の映画でした。
これらの映画を見ることで、鑑賞途中は気分は最悪になりますが、なぜかこの非常事態の映画に共感できてしまうのだから不思議です。
結果的に、映画鑑賞によって最悪のケースを想定でき、今僕らが生きる現実に少し希望が持てるようになりました。
ただ、あまりにもウィルス感染の映画を連続で見すぎると暗たんたる気持ちになってくるので、3日おきくらいにちょくちょくみるペースがオススメですね。
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