『天気の子』の感想を書いてみる
新海誠の『天気の子』をみてきました。
僕が感じたのは、
「自立」がテーマ
ということ。
少年の帆高、晴れ女の陽菜(ひな)、就活中の夏美(なつみ)が
どうやって飯を食っていくのか?
と、それぞれが必死に考えて、もがく様子が描かれています。
自立や独立、成長といった人生の1ステージが描かれていて楽しい映画でした。
この映画で引っかかったのが
- 陽菜が人柱になって消えた
- 陽菜が復活したら、雨が降り続いて、東京の一部が沈んだ
の2つ。

何気なくて見ていたのですが、
終盤にでてきた「立花の老婆」の一言でハッとしたのです。
彼女は
200年前ぐらいまでもともと海だったのよ。元に戻ったと思えばいいじゃない
といってましたね?
老婆の言葉を聞いて、主人公の帆高は
もともと世界は狂っていたんだ。自分たちのせいじゃない
と、「東京の沈没には、自分たちに非がない」と思うようになります。
これらのことから、僕は
ある暗喩・メタファー
を感じ取りました。
それは、
- 「雨で沈む東京」→「失われた30年を歩む日本経済」
- 「晴れのために犠牲になった陽菜」→「無理に働かされているブラック企業の若い労働者」
です。

晴れ女の陽菜は
日本経済のために働かされた結果、精神を病んだ若者
を暗示しているのではないでしょうか。
僕自身「失われた30年」とともに人生を歩んできた身で、ブラック企業で働いていたこともあるのでハッとしたのです。
そう考えると、あの老婆の
200年前はもともと海だったんだからいいじゃない
という発言が新たな意味を帯びてきます。
「200年前は江戸時代で、鎖国してたんだから気にすんな、若者」
と。
もしかしたら、この映画の「真の主題」は、
バブル崩壊後の不況を生きてきた若者へのメッセージ
なのかもしれません。
「日本の不況はお前のせいじゃない、気にすんな」
現に、映画では「ブラック労働」というキーワードが頻出。
帆高は「月給3000円」で使われていた事実が浮き彫りになり、夏美が
超ブラックじゃん、そりゃ他でバイトしたくなるわ
と発言がありました。
劇中で「ブラック」というキーワードが出てきたこともあり、こう考えざるを得ません。
僕と同じ感想、解釈を持った方がいると嬉しいですね。
それでは!
Ken
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